「もしかして…龍?」
「ご明察」
でと男は間をおいた、と思ったら立ち上がった。
怪訝な顔をした俺の元にその男は一瞬で詰め寄った。
突然のことに上手く対応できず、男の顔をガン見する。
「で、これって怪我?」
いや…と言いかけたところでハッとする。
「…お前には関係ないだろ」
「ふーん」
そこで一旦会話が途切れる。
その間に俺はシャツに着替えて体を隠す。
下はもう着替え終わっていてよかった。
本当に良かった。
「今日代わりのスタントやってたのって君?」
「そうだけど…」
「かっこいいね。 少なくとも前の人より動きがよっかったよ」
これは、褒めてんのか?
仮に褒められてるんだとしても、なんかあんま嬉しくない。


