「やっぱり昨日の会話聞かれてたのかなぁ…」 「そうだろうな」 このデートの話が持ち上がったのは昨日の帰り道だった。 ただしくは俺が持ち出しただったけど。 「あきらが見たい映画ってなーに?」 「ん? 見てからのお楽しみ。 あっ、すいません」 俺は近くを通りかかった店員を呼び止めて珈琲を頼む。 「香奈は何頼む?」 「じゃあ、チーズケーキセット」 店員がいなくなった後心配しすぎなんだよ、と頭を撫でる。 その時カランコロンとドアの方から聞こえた。 「……おいでなすった」