あそこが深くなくて良かった…。
今思えばあの時俺がとった行動はかなり無謀だった。
華鈴が溺れているのを見た瞬間は頭ん中真っ白になった。
そんで、気が付いたら、俺も川の中に飛び込んでた。
てか、あそこで誰かが通らなかったらあいつ一体どうしてたんだろう……。
と、不意に華鈴が動いた。
モゾモゾとしている気配を背中越しに感じながら、「起きたのか?」と訊く。
人に運ばれときながら、寝てんじゃねーよ。
そう言ってやろうと思って振り向いた俺の目に入ったのは、昔みたいな無邪気な笑顔。
思わずその笑顔に魅入る。
この笑顔を見たのはいつぶりだったかな…。


