「……ごめんなさい」
「謝るぐらいだったら、あんなところで溺れてた理由を教えてくれない?」
俺はグッと押し黙る。
「………それだけは言えないんだ」
「あっそ。 そっちがその気ならこっちにも考えがあるよ」
「へ?」
「華鈴のお母さんに言う。 全部言う。 今日溺れてたってことも、学校で虐められてるってことも」
一気に血の気が引く。
あんな心配性にそんなこと言ったら、どうなるかぐらい、容易に想像がつく。
確実にヒステリーを起こす。
最近やっと落ち着いてきたのに……。
でも、あのことはまだ言えない。
その葛藤の中でなかなか話さずにいると、愁は溜め息をついた。


