「ちょっ! 待てって、そっちは道じゃない!」 静止した手を振り切ってすごい早さで走って行った華鈴。 「チッ! あのバカ!!」 追いかけるために慌てて鬱蒼とした木々の間に俺も踏み込む。 「…待てって言ってんだろーが!」 叫んでも、一向に止まる気配が無い。 ならば……。 俺は走る速度を上げると、華鈴の服の端を掴んだ。 「落ち着けって、さっきの隼人だったから」 幽霊なんかじゃない!と告げると、ようやく止まった。 と言うより、その場に座り込んだ。