「何か悩んでるんなら話聞くよ?」 えっと……と声を漏らした凪はふるふると首を振った。 「大丈夫~、何でもないから」 眉を垂らしたその顔が何でもないわけないということは明白で、だけど、何も言わないだろうなということを瞳を見て思った。 私は溜め息を一つ吐くと 「いつでも聞くからな?」 と凪の顔を覗き込む。 うん、と頷いた凪は湯船から立ち上がると景色を焼き付けるように外を眺めた。