「お前笑すぎだろ。 ま~、確かにその人達面白かったけどよ」
「だろ?」
「何ドヤってんだよ」
そしてようやく最後の1段を降りきった。
「んー、いい風だ」
陽射しで火照った頬に当たる風が冷たくて気持ちいい。
そして、軽い磯の香りに『海に来たんだな』と実感する。
行かねーのか?と俺に聞いた水城は何時の間にか、俺の数歩前にいる。
「待てよ、」
焦って足を踏み出すと水城から視線を感じて顔を上げると、水城がジッと俺のことを見ていた。
そう、あの優しそうな顔だ。
————不意打ちなんて、卑怯だ。
俺はなるべく顔を上げずに水城の元に走っていった。


