借りさえ無ければ、こんな風に罪悪感に苛まれることも無かったのに!
ついでに言えば、謝る必要も無かったのに……!!
謝罪の言葉は私の本当の気持ちだけど、謝らずに済んだのなら絶対に謝りたくなんかなかった。
(……て、そうじゃないっ!)
そこまで考えて自己嫌悪に陥る。
本当は屋上で“嫌い”なんて言うつもりは無かった。
最初は華鈴を泣かせた最低男、ってずっと思ってたから嫌悪感を抱いていた。
けど、それが誤解だったと分かったのに言ってしまったのは焦ったから。
華鈴がこの男に取られるって感じてしまったから。
今までずっと私の隣にいた華鈴をこの男がさらっていくって分かったから。
だから、なるべく近付けないように目を光らせていたのに、知らない間に親密度が上がっていた。


