「いや……普通は覚えてないから」



凪とは家が隣同士で、物心ついた時には既に一緒にいるのが当たり前になっていた。


いわゆる幼馴染。


親同士も仲が良かったので、幼稚園から同じ場所に通っていた。


長年一緒に過ごして来たおかげで、今では唯一無二の大親友となっている。




「そうかなぁ~? まぁ、でも今年も同じクラスで良かったぁ~」




俺を上目遣いで見上げる凪は安堵しながら言う。




「追試落とさなくて良かったな」


「落とさなかったのは華鈴のおかげだよ!ありがと!!」




凪が勢いよく俺に抱きつく。


その動作は小動物のようでとても可愛い。




「まぁ、俺が教えてあげたんだから当たり前だけど」


「確かに~」




笑顔も超可愛い。