水城は俺の顔を数秒間見ると、手を離した。 「………そんな顔してんじゃねぇよ」 聞き取れるか取れないかぐらいの本当に小さな声。 実際、水城自身俺に聞かせようと思って発したのでは無いだろう。 正直言うと俺も聞きたくなかった。 俺が泣きそうになっているということを肯定している言葉なんて。