冗談はさておき、ポケットの中に手を突っ込んであるものを取り出すーーーって無い。
反対のポケットも探ってみるが、やっぱり無い。
(部屋に置いてきたのか………)
知らぬ間にハァーァと深いため息が口から出る。
取りに行こうと思って体の向きを後ろに向ける。
と、固まっている輝が目に入った。
「なぁ、携帯持ってねぇか?」
輝にそう尋ねかけると輝は我に帰って俺のことを見た。
「……聞いてるか?」
「え?何か言ったか??」
俺は再び溜め息をつきながら「携帯貸して」と手を出した。
「別にいいけど……何に使うのさ?」
最初はめんど臭かったのだが、あまりにも輝が不思議そうな顔をしているので通報すんだよ、と一言だけ説明しといた。


