(……というか、こいつ既に死んで………?)




先程からピクリとも動かない。




ーーーて、あら?


よくよく見て見ると、今まで全く動いてなかった手が微かにだがゆっくりと動いているではありませんか。




………たく。


驚かせんなよ。


一瞬本気で焦っただろうが。




俺が静かに見守っている(そんなことしている場合ではないのだが)と、男はそのまま手を持ち上げてポケットに突っ込んだ。




(?…………ポケット?)


何故?




嬉しいことにその問いの答えはすぐに明らかとなった。


ーーー答えは全くと言っていい程嬉しくなかったが。




男が手をポケットから出す。




男が取り出した物=答え

を見て息を呑む。




その手に握られていたのは、サバイバルナイフだった。




それを認識した瞬間、俺の手は華鈴の腕を掴んでいた。