「うわぁ……見事なラリアット………」
後ろから傍観していた輝が呟く。
輝をぶつのは後回しにし床に昏倒している男の首根っこを掴んで、隼人の声がした方に引きずって行く。
曲がり角を曲がると床に大小様々な、蛍光灯の光を反射して光る物がたくさん落ちていた。
そうガラスだ。
あの時の音はここから聞こえてきたに違いない。
そしてそのまま入った個室の中は酷い状態だった。
ガラスは散乱し赤い物が床や机に着いていた。
しかしそれよりも真っ先に目に入ったのは、隼人に抱き締められて泣いている凪だった。
「……一体何があったんだよ…?」
凪は上に隼人が着ていたジャケットを羽織っていたが、下からは破れた服が覗いていた。
俺の声が聞こえたのか凪は肩を一瞬震わせた後ゆっくりと顔をあげた。
「………かりん…?」
「そうだ、俺だよ」
俺は怯えさせないように笑いかけながら近付いた。


