悶々としたまま凪と別れ定位置でクラウチングスタートの姿勢になる。 (もういい!後でタップリ文句を聞こう!!) 頭の中を空っぽにし、あの銃のような音を静かに待つ。 『位置についてヨーイ……… パァンッ!!』 聞こえた瞬間自然に身体が飛び出す。 足を速く動かせば動かす程目の前に人はいなくなる。 なんて気持ちがいいのだろうか……! 誰よりも前で走ることへの快感がさらな足の回転を速くする。 そして俺は後ろと1秒以上の差をつけてバトンを回した。 これで俺の役目は無事終了した。