周りから黄色い声があがる。
中には自分の関係する部活じゃなく華鈴を応援している奴がいた。
あんた女バスなら男バスを応援してあげようよ!
思わずそんなコトを言いたくなったが、すんでのところで呑み込んだ。
そして華鈴は普段の50M走の速さで前を通り過ぎていった。
………誰だ。
走りにくいなんて言ったのは。
華鈴の走る姿はカッコいいなんてものじゃない。
女の子なら誰もが惚れる。
そのまま3人ぐらいをごぼう抜きすると次の人にバトンを回した。
その人は3年の中で最も速いと噂される先輩だった。
噂は正しかったようで、前にいた2人を軽々と抜かしていった。
そして大方の予想を裏切り空手部が部費を獲得した。


