けどこんなトキに限って頭が回らない。 滲む汗が冷房のせいでだんだんと冷えていく。 沈黙だけが部屋を流れて、母の瞳は私を写す。 私だけを‥‥。 「零音、あなたはもう‥この家に居れないわ。」 ‥‥は? なに言ってんのよ 「昴、楓斗とお父さんを呼んできて頂戴」 「あ、あぁ‥‥」 兄は慌てて部屋をでた。 服もきれないままの私は、お兄ちゃんが掛けてくれた布団1枚。 母とこんな嫌な空気になるのは何故か馴れていた。