お母さんは 私の好きな物、知ってる? 好きな食べ物知ってる? 好きな動物知ってる? 好きな人‥知ってる? 目の前の人が遠くなる。 一億光年たっても 届かない人みたいに。 「零音っ!」 お兄ちゃんは振り返って私の元に駆け寄った。 「なにボーっとしてんだよ‥‥行くぞ」 ギュッと手を握られた。 冷房の効いたスーパーの中で繋がれた手は、温かくて、心拍数も上がってた。