私のほうが年上なのに なのに‥ なんでこんな風になっちゃったんだろう。 楓斗は大人すぎた。 澄んだ瞳 低くなった声 私を抱き締める優しくて大きい手 笑ったトキの昔と変わらないあどけなさ‥。 いつしか 時間は過ぎていたんだ。 もう楓斗は 子供じゃない。 私なんかより立派な 大人なんだ。 私の部屋のテーブルで勉強している楓斗。 私には難関な問題が多い ちょっと前までは 私が勉強を教えていたのに 今では楓斗も‥‥。 楓斗の悩む背中を少し見つめて、パッと目を逸らす。