「っっ‥‥‥」 あぁ、どうしてこんなに 私は弱いんだろう。 もっと もっと強い人間に 産まれたかった‥‥。 自然と涙が頬を伝う。 「痛っ‥!!」 涙のせいで 頬に痛みが走った。 痛みに顔をゆがませ、目を閉じる。 このまま死ねたら どれだけ楽か‥‥。 楓斗の手をギュッと握り返す。 「ん、‥零、音?」 暗くてよく見えない楓斗の顔。 見えないから よけいに不安になってしまう。 ほんとうにこの人は 楓斗なの‥‥? 口の中に広がる 薬の苦い味。 そうだ‥‥私‥