この辺は住宅街と言っても、小さな家がびっしり隙間の無いように立ち並んでいる。
3月なのに今日はすごく暑かった。
1週間の雨のせいだろうか?
大雨の次の日は暑い。
内心で文句を言いながらも、100人に聞いたら100人とも「知るか!」と返って来そうな感じがして、心の中で溜め息をつく。
ふと、誰かにつけられてる気がして立ち止まる。
同じように先ほどまでの足音が消える。
まさか昼間っからストーカー?
制服萌えとかいうキモイおじさんだったりして……。
とっさに携帯を取り出して文佳に電話する。
『おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか…』
「なんで出ないのよ文佳……」
立ち止まるのを止めて少し早くあるいて帰る事にした。
しかし、それと同時にまた足跡が聞こえてきた。

