春になったといってもまだ日の入りは早い。

夕焼け空をぼんやり眺めながら教授の話に耳を傾けていた。

「え〜それでは今日はここまでにして次回はこの続きからはじめます」

教授の終わりの言葉と同時に教室が一気に騒がしくなる

なつはもみんなに続いて立ち上がってトートバックと小さなメッセンジャーバックを持って歩き出した。

大学の広い敷地を歩いて行く。
夕日に照らされる街路樹を通り抜け、やがて古い建物にたどり着いた。
階段を上り一番奥の教室に入る

「お疲れ様〜」

いろんな人にその言葉をもらい、私も同じようにその言葉を返す。
席に着いてカバンを下ろすと隣に晴香が座ってきた

「なつは!!聞いたよ、今日1年生から告られたんでしょ!?」

身を乗り出して聞く女になつははたじろいた