イン食堂。
相変わらず重苦しい空気は変わらず、関係者はみんなあらぬ先を見つめていた。
彼方がやってきたことに気付き、湊が駆け寄ってくる。
「――っ、兄さん!
あの」
「なに」
湊の顔が青ざめていた。
彼女は周りを気にしてか、食堂の隅に彼方をつれていく。
「どうした」
「あの……一条さんの死亡推定時刻って、11時から1時なんでしょう?」
どこから聞いた、と尋ねたかったが、自分が湊にしゃべった気がする。
「そうだけど。」
「うん、で、私ずっと忘れてたんだけど…」
「昨夜の2時くらいに、私一条さんを見たのよ」