九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】




「食べるねー湊ちゃん。」


言いながら、私と兄のテーブルに八部氏がやってきた。

手にはバイキングのトレイを持っている。



「八部さん、バイキング取ってきたんですね」


「お前従業員だろ。
客と一緒に夕飯食っていいのか?」



呆れ顔な兄に向かって八部はチチチと指を振った。


「今日は従業員もバイキングオッケーなスペシャルデイなんだよ。

従業員だろうがオーナーだろうが今日はみんなでディナー食べ放題!」


ひゃっほー言いながら八部さんは兄の隣に座った。

おまえなぁと耳たぶを引っ張られても八部はニコニコしながらフォークを取る。


羨ましいほど明るい。






私はと言えば、定番いちごのショートケーキを打破したために皿を取って席を立った。


「私も取ってくるーっ」


「おい湊…っ、無駄か。」



目指せデザート制覇!

女子高生の胃袋をなめんなよ!