真っ暗…
ここはどこ…?
どこに行けば咲斗に会える…?
真っ暗で何も見えないや…
どこに行けば光があるの…?
もうここから出れないのかもしれない…
もう…いい…
出れなくても、もういい…
出れても咲斗はいないかもしれない…
咲斗にとっての私は邪魔物?
私にはわからないよ…
男の子の考えなんてわからないよ…
眠い…
このまま寝ちゃおうかな…
『乃愛』
え…
『乃愛』
誰…?
『帰って来いよ、乃愛』
この声は…
私の大好きな咲斗の声…
でも、夢でしょ?
目を開けたら咲斗はいる?
『乃愛、いつまでも待ってるから帰って来い。できれば早い方が俺は助かるけどな』
咲斗は待っててくれるの?
どうして早い方がいいの?
『寝るなんて許さねぇからな!早く起きろよ!!』
まったく…せっかちなんだから…
わかったよ…
今、起きるね…
咲斗、ありがと…
「…乃愛、乃愛!?」
「…さき…と…」
ほんとに待っててくれたの?
「乃愛、大丈夫なのか…?」
「うん、もう平気だよ」
「そうか」
咲斗…咲斗の声、聞こえてたよ
帰って来たよ…