―ジリリリリリリリリー………

部屋に響く機械音。

「………………。」

どうやら私は強引に現実の世界へと戻されてしまったらしい。…せめて後もう少しだけでも待っててほしかった。

「気になるなぁ……」
男の人っぽい……あの人は一体誰だったのだろうか。…そもそもあれは人…なの…??…何を伝えようとしてたのだろう…。

「全く夢もケチだなぁ。もう少し待っててくれたって良かったのに……まぁ目覚ましをセットしたのは私…なんだけど…ね……。」
ぶつぶつ言いながらも私は着替えを終わらせた。

今は春休みのため学校はないが、私は何と言っても“朝”が好きなのだ。その為休みでもいつも通り早く起きるのだ。
まだ殆どのものが活動を始めていない、朝特有のその澄んだ感じが心地良いし、何より涼しげな風が好きだ。

―ザッ
カ-テンを開け、窓も開け放つ。
「…………寒っ…!」
……但し今はまだ4月上旬。そろそろ桜も咲きはじめる頃だが朝方は流石にまだ冷える。

―今日もいい天気になりそう。

揺れる木々の葉っぱを見ながらふとそう思った。