死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-

「いい?いくよ。無理だったら言うんだよ、カエデ…」


うん。
私はナオヒロを見つめ、頷いた。


私に優しくキスをする、ナオヒロ。

あともう少しの命なら、このまま逝きたい。

愛されながら、最後を迎えたい。


幸せすぎる時間は、私に涙を溢れさせる。

どんなに拭っても拭っても、止まらない雫。


「ナオヒロ…愛してる…」


「カエデ?」
ナオヒロが、泣いている私に気付く。

不安そうに私を見る、ナオヒロ。


「ゴメン…。幸せすぎて」
私はナオヒロに抱き付いた。


このまま…

このまま、永遠に時間が止まりますように…


そう願い、私達は何度も何度も抱き合った。


「愛してる…」

「愛してる…」


― 愛してる…

― 愛してる…