死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-

カエデに出会い、ナオヒロは本物の恋を知った。


恋は頭でするもんじゃない。
心でするものだと、カエデに出会って知ったのだ。

好き。
たった二文字が、心の中にあれば、それが恋なのだ。


ナオヒロは、恋が苦しくて楽しいものだと知らなかった。

カエデに出会わなければ、たぶんこのまま誰とも付き合ず、結婚もしないでいるんだと思っていた。
ナオヒロには、恋愛の必要性が感じられなかったのだ。

恋に臆病なのかもしれない。

傷付くのが怖いからなのかもしれない。

そんな辛い思いを自らするなら、ナオヒロは動物や魚達と一緒にいられるだけで充分だった。

動物や魚達は、裏切らない。
そう思って、毎日を過ごしていた。


それが、カエデと出会い恋を知った。


もしこの先、誰かを好きになったとしても、カエデ、キミだけは絶対に忘れない。

忘れたくない。


カエデに出会えたことが、ナオヒロはそれだけで幸せだった。


カエデ…