死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-

「カエデ…」
怖い顔で、ナオヒロが私に近づく。


― 打たれる…
私は、体を強張らせた。


「そんな淋しいこと、言うな。そんな、淋しいこと…」
ナオヒロが私を抱き締めた。
今度は、どんなにもがいても離れない力で、ギュッとナオヒロは私を強く抱き締めた。


「傷付くよ。そして、後悔する。それでも…イイの？」
ナオヒロに抱き締められながら、呟いた私。


「いい。それでもいい。一人で作った傷なら、二人で治せばいい。一人じゃ無理でも、二人なら頑張れることだって…それに、俺はカエデの最後の男になりたい。カエデの最後の最高の男になれたら、それでいい」

「ナオちゃん…。ごめん…ごめんなさい…」
ナオヒロにしがみついて、私は泣いた。


「謝んなよ…」

そう言って、私の口を塞ぐ様にしてキスをする、ナオヒロ。