それからすぐ、
「あ、そうだ、純!!」
思いだしたように哲也が言った。
「なんですか? 村中さん」
「蝶華の新たな情報ゲット いる?」
そう哲也が言った途端、
ーブッ!!
萌奈が飲んでいたお茶を吹き出して
おまけにむせていた。
…………まさか…。
「ゲホゲホゲホッ」
「大丈夫か? 萌奈」
「ご、ごめん…」
純が背中をさすった。
純が女に…。
初めて見るその光景に、
俺は息を飲んだ。
だけどそれと同時に俺は、
萌奈に対して、ある疑惑を抱いた。
俺はむせて純に
さすってもらう萌奈の背中を、
ジッと見ていたー…。
その視線に、哲也が
気づいていたことになど全く気づかずに、
ただただジッとー…。