明日に向かって。


誰の女でもない姫…か。

ずいぶんと短い間でコイツらも
変わったもんだな。

まさかコイツらが姫を作るなんて…。

聞いたときはかなり驚いた。

だけど同時に、その女を
見てみたいと思った。

アイツらを惚れさせた女を…。

まぁ、黒竜大好き人間の遥が
来ていないところを見ると、
遥は認めてないみたいだけどな。

遥は仕方ないか。

アイツは極度の女嫌いだからな…。

「だから、誰の女でもないんで。変なこと聞かないでくださいね?」

悠紀がいつものように冷静沈着に
そう言った。

「その言い方。今から来るのか?」

なんとなく、直感でそう思った。

「兄貴には関係ねぇだろ?いい加減…」

しびれを切らしたように純が言いかけたときだった。



ーガチャッ

部屋の扉が開く音がした。