「ねえそれって、バイク改造してるの?」
さっき睨まれてた緑頭の下っ端に聞いた。
「そう…ですけど」
「バイクいじり、好きなんだね」
結構いい感じに出来てるし。
「…………あざーっす」
挨拶適当だな…。
ま、まじめな不良よりはいいけど。
「バイクでかいよね。かっこいいね」
「…………わかるんすか?」
「まぁ…少しなら?」
蝶華時代、よく下っ端や幹部のバイク、
改造してやってたし。
自分のもやってたしね。
「そうなんすか?」
周りにいた下っ端君たちも、
タメ口だか敬語だかわからない言葉で
話しかけて来た。
なんか…蝶竜に戻ったみたいだな。
唯一無二のあたしの居場所だった、
蝶竜にー…。
「みんな、バイク好きなんだね」
聞かなくても、バイクをみれば、
わかるけどね。
「「好きっす」」
あたしも、だよ。
もう自分で運転することは
ないだろうけど。
「あ、緑頭!! そこの繋ぎ、違う」
「緑頭? 俺!?」
緑頭なんてあんたしかいないっつーの!!
「そう、俺」
「…………翼(ツバサ)」
「翼? あぁ、名前?そういえば言ってなかったね。あたしは、藍川 萌奈。よろしく」
「「よろしくっす。萌奈さん」」
「さんいらねーよ。バーカ」
「でもっ…」
「総長が〜だろ? 本人がいいっつってんだから、いーの!!個人の意見は尊重しろ(笑)」
「じゃあ…萌奈」
「よし!!」
緑頭…改め翼は、
バイクいじりを再開させた。

