「ちょ…萌奈!!」
倉庫から出ると、
大地があたしを呼んだ。
「………何?」
「帰るぞ。……蝶竜の倉庫に。話、聞かせてくれんだろ?」
「………わかった。ちょっと待ってて?」
そう返事をしてあたしは、
黒竜のみんなのところへ行った。
「萌奈…いや、蝶華か」
「…………ごめん」
頭を下げた。
「明日の夜」
「えっ?」
「黒竜の倉庫で待ってる。ちゃんと来いよ?俺らの“姫”なんだから」
「…………それって…」
あたし…姫でいていいってことか?
「じゃあな。また明日。蝶竜の連中に、サンキューって言っておいてくれ」
蝶竜のみんなに…?
なんで…。
頭の中は疑問だらけだった。
それでもあたしは、
あたしのやるべきことを成すだけだ。
そう思い蝶竜に向き直った。
「大地。後ろ、頼むな」
「あぁ」
蝶竜の倉庫へ向けて、
出発したー…。