「蝶華、こっちへ来い」
「………何よ?」
田嶋に手を引かれて
連れてこられたのは、
一階を一望できる、
階段の踊り場みたいなところだった。
「何人来るんだろうな?」
楽しそうに笑う田嶋。
楽しかねーよ。どっこもな。
「んなこと、あたしが知るか」
さっき、蝶竜の…
“アイツ”のバイク音が、
聞こえたもん。
ぢから蝶竜のみんなは、いる。
裏切り者のあたしを助けに、
来てくれた…。
「お前、本当は、気づいてんじゃねえのか?」
「何に?」
「…………別にいいや。絶対、揃う」
「は!? ね、田嶋。あたし思うんだけどさ、あんたのその自信は、どこから来るわけ?あんたたちが、蝶竜に叶うわけないだろ?バッカじゃねえ?」
「そんな口きいてられるのも、今の内だぞ?」
「あたしは、あたしだから。例え…最悪な状況に陥ったとしても」
みんなに命の危険があるようなら、
本気を出すから。
いくら鈍ってるあたしでも、
本気を出せばこんな男1人の腕から
抜け出すことくらいは出来る!!
ハズ!!!!
ただそれだけでダウンしれないから、
大人しく捕まってるだけ。
コイツの実力は、知らねぇから、
下手に動いても体力の無駄だ。
たぶんセックスしたのだって、
あたしの体力を奪うため。
と、
たまってたから。
ってところじゃない?
とにもかくにも、もう、
GAME OVER。
それに変わりはないのならせめて、
後悔だけはしたくないー…。
後悔しないためにあたしは、
やるからねー…。