「骸骨は、ハッキングできる者がいませんからね。風のウワサで聞いただけでしたから。ウワサなどというものは、あてにはなりませんからね」
「そうか…。ところで、今日はあたしを捕まえてどうするつもりだ?タイマンでもやるのか?」
「さぁ?総長の考えていることは理解しがねますからね」
「………そうか。あたしはいつでも構わない。早かれ遅かれ、骸骨はあたしが潰すのだからな」
「すごい自信ですね?どこから来るんですか?そんな自信」
「さぁな。強いからじゃないか?」
半分冗談でそう言うと、
「そうですか。さすが、蝶竜の初代女総長ですね」
と、返され、どう言っていいか
わからなくなり、黙った。
「さぁ、つきましたよ」
「…………あのさ、この状態で、おりれると思うか?」
両手両足は拘束されたままなのに、
おりろと目で促す京は絶対、
Sだ。
「抱き抱えて行きましょうか?」
腹黒い笑顔で聞いてきた、京。
「両手両足とは言わない。せめて足はほどいてくれ。これじゃあ歩けない。あたしは、ここまで来て逃げ出すほど、バカじゃない」
「わかりました。そのかわり手の縄は、持たせて頂きます」
そう言って京は、
足の縄をほどいてくれた。
「行きましょう。こちらです」
連れて来られたのは、
黒竜より広い倉庫だった。
けど、薬の臭いが少しした。
「千尋(チヒロ)。連れてきましたよ」
「久しぶりだな、蝶華」
「田嶋…お前…一体何のつもりだ?」
「殺気なんて物騒なモン、出すんじゃねーよ。あぶねぇな」
「答えになってねぇんだけど?」
「しっかしお前、よくノコノコと来たモンだな?」
「…………なンだと?」
どういう意味だ…?
それ…。
「お前らを潰すために来たんだ。そのためならお前らを利用してやるよ」
「残念だったな。お前は人質だ」
「………は? 人質っ!?」
どういうことだ!?
「これを、見ろ」
渡されたパソコンの画面には、
信じられないものが映っていたー…。