「蝶華さん」
「何」
「失礼ですが、両手両足、拘束させて頂きます」
「……フッ。ずいぶんと用心深いな。まぁいい。好きにしろ。その変わり視界は遮るなよ?ちょっとでも怪しい行動を見せれば、殺す。もちろん、目でサインもするな。俺の目はごまかせない」
「わかりました。では、拘束させて頂きます」
礼儀正しいコイツは、両手両足を、
遠慮なくキツく縛った。
ムカつくヤツだ。
「あんたの名前は?」
「京(キョウ)、と呼んでください」
「京? わかった」
「それより、フード。取ってもよろしいですか?」
「………ダメと言えばやめるか?」
「やめませんね」
「なら勝手にしろ」
「では、失礼しますね」
京はフードをとった。
長い金髪が現れる。
「やっぱり…蝶華は、女なんですね」
「やっぱり…だと?」
どういうことだ?
コイツらは、
知らなかったってことか?
蝶華が女だと…。