「同種?………なんでそう思った?」

まじかよ…。
すぐに否定…しねえの?

「否定…しねえのか?」

「純の言う“同種”ってどういう意味だ?わかんねーのに否定も肯定も、出来るわけねぇじゃん」

「…………萌奈は、族か何かに入ってたか?と聞いているんだ」

「さぁね。それ、言う必要性…あるの?ないよね?答える義務なし。ってことでノーコメントね」

「帰るぞ」

「怒ったのか?」

「別に」

怒ったっつか…ショックを受けた。
って感じだな。

萌奈は言葉では
肯定も否定もしていない…。

だけど俺は、見逃さなかった。


聞いた瞬間、萌奈の瞳が
寂しそうに揺れたことにー…。






「純!! どこ行って…あれっ? 萌奈を送ってきたんじゃなかったの?」

倉庫に戻って海に言われて、
思い出した。


家に帰すの、忘れてた…。


「海!! 家まで送ってってくれない?」

萌奈がそう言うと海は、
驚いた目で俺を見た。


「海、行け」

「……………わかった。萌奈!! 行こっ?」

「また明日な!! バイバイ」






「純、珍しいな。お前が送らないなんて」

奏も驚いたように言った。


「…………悠紀。朝、起こしてくれ。それまで入ってくんな」

そう言って俺が指をさしたのは、
総長専用の部屋。




女好きで遊び人だった先代が
連れ込むためだけに作られた、部屋。


「何かあったの?」

「わかんねぇ…考え事してぇから、1人にしてくれ」

「わかった。じゃあ明日7時に起こしに行くね」

「悠紀。もしかしたら明日俺、学校行かねぇかも」

「わかった。とりあえず起こしにはくる」

「ワリィな…」


それだけ言って俺は、
悠紀に鍵を渡して部屋に閉じ籠った。










一晩中、













萌奈のことを考えていたー…。