「あ、そうだ萌奈!!俺今、蝶竜の幹部なんだ」
優真は思いだしたように、そう言った。
優真が…幹部!?
「幹部!? 泣き虫優真が!?」
「そ、それは、拾われた当初の話しだろ?」
恥ずかしそうに優真が言った。
「優真が幹部…じゃあ、翔太も幹部?」
「あぁ。翔太も幹部だ」
翔太はまだしも、優真が幹部…。
世も末だ…。
か〜な〜りっ!!
びっくりなんですけど!?
てかなんかちょっとショック…。
あたしの知らない優真がいる…(涙)
「俺のことより、萌奈!!どこにいるんだよ!?急にいなくなるから心配したんだぞ!?」
「ごめんね…あたし…」
優真には全てを話した。
あたしが、蝶竜を抜けた理由。
今は都心から離れてはいるけど、
比較的近くにいること。
(ちなみに蝶猿高校は栃木県にある)
関東№1の暴走族、
黒竜の姫としてまた、
暴走族と関わってること。
星夜に言われた言葉が、
引っ掛かってること。
壱夜のことで、
仲間が、特別が、出来ることに、
不安で仕方ないこと。
でも黒竜のみんななら、あたしを
前に進めるようにしてくれるんじゃないかと、
ちょっとだけ期待している
自分がいること。
黒竜の幹部のみんなは、
蝶華に憧れていると言っていたこと。
騙して(黙って)いることに
後ろめたさがあること。
全部…ぜーんぶ!!
優真に話した。
話し終わる頃には、
夜が明けていたー…。