優真は引っ越さず、
まだあの家に住んでいるらしい。
あたしが、あの街に越す前までずっと、
優真と住んでいた家。
優真の家=懐かしい家。
家まであと少し!!ってところで、
「優真!!」
優真が、呼び止められた。
振り返ると、
見たことのない男だった。
「遡…」
遡と呼ばれたその男は、
一言で片づければ、
チャラ男だった。
優真と接点はなさそうな、男。
まさかコイツも蝶竜…?
いや、ありえないか。
そのチャラ男は、あたしに気づくと、
ペコリと頭をさげた。
つられてあたしも頭を下げた。
意外と礼儀は
わきまえてるヤツなのか…?
「遡、ワリィけど今日は、帰ってくんな」
もしかして今…
一緒に暮らしてるのか??
「優真の女?」
……は!? 女!?
「…るせぇな。とにかく今日はぜってぇ、帰ってくんなよ!?」
「俺も女のところ行ーこう。その前にお前の女、紹介して?」