「アイツらも…来たんだな…」
アイツの墓に行くと、
アホみたいにたくさんの花が
飾られていた。
アイツが愛用していた煙草と、
アイツが好きな酒まで、
墓に飾られていた。
それだけで…あたしは、わかる。
蝶竜のみんなが、
一足先に来たんだ、と。
蝶竜のみんなの足取りがわかり、
嬉しい反面、良かった、
と思う自分がいた。
会わなくて良かった…。
アイツらに会わせる顔がないからだ。
あたしは、勝手にみんなの前から
いなくなったから。
総長をやめるときに
必ずしなければならない、
“次期総長”も決めずに、
あたしは逃げたー…。
それから、風の噂で、
蝶竜の総長には、
大地(ダイチ)がなったと耳にした。
大地なら、大丈夫だ。
アイツはあたしなんかより、
総長に向いてるよ。