明日に向かって。


「遥、祭り行かねえのか?」

「あぁ。行きたくねぇ」

じゃあなんであたしが行くなら、
行くなんて言ったんだよ。

意味わかんねぇやつ…。


ま、あたしには関係ないことだけどさ。




「遥は、すっかり萌奈になついちゃったね。萌奈、遥に何したの?」

と、海が聞いてくる…。

あたし、特に何もしてないよね?

ただ普通に、遥と話しただけ…。

「普通に、話しただけだよ?」

そう答えると、海と奏は、
「は?」と怪訝そうな顔をした。

純は相変わらずの無表情で、
悠紀はニコニコしている。

遥は海を睨んでるし。


「…………?」

前から思ってたんだけど、
コイツらって、よくわかんねぇよな。

なんつーか、
『なんでここに疑問を持つんだ?』
ってところで、疑問を持たれる。





「遥、萌奈ちゃんを姫と認めたって思っていいんだよね?」

悠紀が遥に聞いた。

あ、そういえばあたし、
遥には姫として、
認めてもらえてなかったんだっけ…。
忘れてた…(汗)


「あぁ」

「んじゃ、今日から正式に萌奈ちゃんは、黒竜の姫だね」

「は? 正式にって…今までは仮だったってこと!?」

「あ、言ってなかったっけ?姫はね、総長と副総長、幹部の全員が認めなきゃ、なれないんだよ」

そんなこと、初めて聞いたぞ?
おい…。

「初めて聞いたんだけど」

「ごめんね?知ってるかと思って…」


知らねえよ!!


蝶竜にいたときは、
総長はあたし…女だったから、
姫なんてなかったし、
族によって幹部の仕組みとか、
全然違うし。