海に行った翌朝から、

遥が毎日倉庫に来るようになった。


元はあたしのせいだし、
来るようになった、って言い方は、
おかしいのかもしれないけど、
それ以外に言葉が見つからない。



「萌奈」

「ん?」

「膝貸せ」

「あ、ちょっと!!」

そして最近は、毎日のように
朝から来ては、半日以上
あたしの膝を枕にして、寝ている。


「……………」

綺麗な顔してるよな〜…。

まつげ、長いし。

ボーッと、遥を眺めていると、

「何? なんか、視線感じんだけど…」

すると遥が目をあけ、そう言った。

「あ、ごめん…いや…なんか…綺麗な顔してるな〜って思って…」

「そうか?萌奈の方が、綺麗じゃん」

「お世辞でも嬉しいよ。ありがと(^-^ゞ」

「お世辞じゃねぇよ…」

あたしが綺麗!?

んなわけないじゃん。

汚れまくってんだよ、あたしは。

「萌奈ちゃん!!と、遥」

「「ん?」」

あ、悠紀だ。
今日はメガネ悠紀。

メガネ悠紀はレア物だね

「幹部と姫、集合」

「ん〜」

悠紀の声に、かったるそうに
遥は体を起こした。

「萌奈。行くぞ」

「あ、おぅ!!」