「そうか…」

「夏休み、始まったばかりなのにな…。気まずいな…」

基を辿れば、
あたしが悪いんだけどさ…。

「すぐ怒鳴るクセ、直さねぇとな…短気すぎんだよ、あたし」

「萌奈は、萌奈だ。それで、いい」

「…………遥って、優しいんだな!! 遥と話してると、元気になるよ。サンキュー!!」



「萌奈」

遥とは違う、少し低い声で呼ばれ、
振り返ると、純がいた。

「純」

「帰るぞ」

「もう?」

「あぁ」

「わかった。遥、ありがとな!!お前と話してたおかげで、すげー楽になったよ。サンキュー」

少しだけ…背負っていたモンが
軽くなった気がした。

「なぁ…帰りも、乗るか?俺の後ろ」

「いいのか!?」

「あぁ」

遥が、心を開いてくれたことが、

今日の1番嬉しかったことだ。

「じゃ、よろしくな」

「あぁ」