しばらくして…遥が口を開いた。

「アイツら、萌奈と遊びたかっただけで、悪気はねえから。許してやって」

「………わかってる。そんなことくらい…あたしだって…」

悪気があったわけじゃない。
それでもあたしは…。

「俺、女は嫌い。大嫌い。だけど、萌奈だけは…大丈夫みたいだ。今まで邪険にしてごめん」

遥が、謝った…。

「あたし、海にトラウマがあるの…。正確に言えば、海に入ると、思い出す…なんだけどね」

「トラウマ?」

「昔、な?海で…死んだ知り合いがいるんだ。海に入ると、思い出しちまうから…出来れば入りたくねえんだ」

それに水着も、着れないし。

背中に墨が入っているから…。