「海に入らなくても、楽しむ方法はある。……行くか?」

まさか遥から誘われるとは…。

目から鱗だったけど、
今はそれがありがたかった。

「行く」

「行こうぜ」

ーグイッ

また、遥はあたしと手を繋いだ。









手を繋いだまま、
遥は堤防に連れて行き、座った。

つられてあたしも座る。


「「……………」」

遥は何も、話さない。
あたしも何も、話さない。

手は繋いだままだった。

だけど二人の間に気まずさとかはなく、

ただ時間だけが過ぎた。