“あの”遥が、
萌奈のカバンを持ち、
なおかつ、萌奈と手を繋いでいた。
みんな茫然と遥と萌奈を見る。
海に至っては、
口を大きくあけたまま固まっている。
「遥…だよな??」
奏も驚きを隠しきれないみたいだ。
「萌奈ちゃん、さいきょー(笑)」
悠紀に至っては、
面白そうに笑っている。
「……………チッ」
純は面白くない光景に、舌打ちをした。
「遥、女嫌いじゃなかったか?」
哲也は不思議そうに首を傾げた。
「……………」
星夜はその光景で、
自分の中の疑惑が、
少しずつ…増加していっていることに
確実に気づいていた。
だけど何よりも皆、
『遥が、手を繋いでいる…』
そこに一番大きなショックを、
受けたようだ。
遥の心までをも変えてしまった、萌奈。
やっぱり彼女を姫にして正解だな…と、
心底思ったー…。