「………凛、どうしたんだよ?」
「……あたし、俊輔がいいよ…」
「……………え?」
これ以上言ったら、俊輔に甘えることになってしまう。
だからあたしは下くちびるをぎゅっと噛んで、ベッドのシーツを握った。
「…………」
そんなあたしを黙って見下ろす俊輔。
「…………凛…」
俊輔が呼んでも、あたしは顔をあげることが出来なかった。
執事服のまま、俊輔はベッドに腰をおろした。
そしてパジャマ姿のままのあたしをぎゅっと抱きしめた。
「…しゅんす…」
「黙れ」
あたしのくちをふさぐように、さらに俊輔はあたしを抱きしめる手を強めた。
「………俊輔…」
あたしも俊輔の背中に手をまわす。
広くて、玲とは違う、男の人って感じがした。
「…俺は、俺だ」
「…うん」
「玲とは違う」
「………………」
「…アイツの代わりなら…断る」
「ち、ちが…!」
あたしは大慌てで首をふった。
俊輔が玲の代わりなんてあるわけない。
大体ぜんぶが違うから。
さみしいから傍にいてほしい。
そんなんだったけど。
いまは俊輔が欲しい。
誰にもとられたくないの。
自分に自信がないから、俊輔があたしをすきになってくれるなんて思ってない。
それでも、諦めたくない。


