…いやだ…いやだ……
…………いや………!
「凛!」
俊輔の大きな声で目が覚めた。
「どうしたんだよ!」
「………え」
あたしの頬は涙でぬれていた。
そっと俊輔はあたしの涙を拭う。
あたりを見渡すと、まだ真っ暗で夜明け前だということがわかった。
「うなされてた…」
「……っ……っ…」
俊輔は心配そうにかがんであたしを見る。
止まらない涙は一層俊輔を不安にさせる。
「……どうしたんだよ…」
「…………みんな、みんな、離れていっちゃう…」
「…………え?」
あたしは俊輔にしがみつきながら、狂ったように言った。
「…玲も!お母さんもお父さんも…!俊輔も…!」
「…凛、落ち着い…」
「やだ!やだ!いなくならないで!」
「り…」
「玲!俊輔!」
いなくならないで!
玲!!俊輔!!
「凛!」
そう叫んで俊輔は泣きじゃくるあたしを抱き締めた。
「…しゅ…ん…す…け…?」
「俺はいなくならない!大丈夫だ!大丈夫!お前のそばにいるから!」
あたしをぎゅっと強く抱き締め続けながら、俊輔は叫んでみせる。
「約束する!お前のそばにずっといる!」
俊輔はそう言うと、いきなりあたしのからだを離した。
「……大丈夫…」
泣くあたしの瞳と心配そうな俊輔の瞳が重なり合う。
そして、あたしたちはどちらともなく、キスをした。


