俊輔はただただ黙々と歩く。 「……なよ…」 「え?」 「奥様と旦那様に…言うなよ」 「………………え……?」 「今日のこと!思いだしそうになったこととか…頭が尋常じゃないくらい痛くなったこととか…病院に行ったことも!」 俊輔、あたしのその声は必死な俊輔には聞こえない。 「絶対だ!」 俊輔はあたしの両肩を掴みながら言う。