「どうしてこんなトコにいるの?」


あたしに話し掛けてきたのはたぶん同い年くらいの男の子。


あたしがいたところは家からすぐ近くにあるお花畑の中に建っている塔みたいな建物の中だ。


「帆那はね、ここでいつか迎えにきてくれる王子様を待っているの。」


「王子様?」


男の子は不思議そうにあたしのコトを見つめて言った。