あたしは、しばらく呆然と秋がたった今出ていったドアを見つめた。


「嘘でしょう…?」


何時間か、いや何分か。

時間を忘れた空間で梓はしばらく呆然としたあと、だんだんとこれが現実なんだと実感し始めた。


そうすると、自分のどこが駄目だったんだろう、と後悔の嵐。

「あたし、秋が嫌がるようなことしたかな…」


だんだん考えるのも辛くなり、現実逃避のように寝室にフラフラと歩いていき、ベッドに倒れこんだ。